格闘技のジムでは、練習の中に『マススパーリング』を組み込んでいます。
マススパーリングとは、以下のような練習です。
お互い半分以下の力(ジムによってはそもそもほとんど当てないことをルールにしている)で行うスパーリング
テクニックを試す(実践の中でどれくらい使えるか)ことを目的としている
ミットやサンドバッグだけでは身に付かない相手が動いている中での攻防力を向上させる
マススパーリングは、どちらが強いか競うものではないので力は不要です。
しかし僕の経験上、どんなジムにも最低1人は本気の力で攻撃をしてくる人がいます。
もちろんお互い動き合う中でのやり取りで力みが入ってしまうことはありますが、こういうタイプの人に危うくケガをさせられそうになった(もしくはさせられた)人もいるのではないでしょうか。
事実僕は、このタイプの人にたびたびケガをさせられ悩んだ経験があります。
この記事は、以下の悩みを抱えている人の役に立てるよう構成しています。
・マススパーリングなのにガチで打ち込んでくる人がいて怖いので何とかしたい
・これからマススパーリングをする予定だけど、どういう人がガチで打ち込んでくるのか知っておきたい
この記事を書いている僕は、
・格闘技歴10年以上
・アマチュア選手としてキックボクシングなどの試合へ出場経験あり
なので、参考になると思います。
タイプ1:すぐムキになる
開始から少しの間はちゃんと力の加減ができているのですが、こちらの攻撃がいい具合に当たったり、逆にこちらがよけたり防御して自分の攻撃が当たらないと、ムキになってヒートアップするタイプです。
このタイプの人には以下の特徴があります。
- プライドが高い(自分が強いと思っている)
- 感情の起伏が激しい
- もともとヤンキー気質
ケガをしないために手数を少なくすると、遠慮なくガンガン攻めてくるのもこのタイプの人が多いように思います。
攻めすぎるとヒートアップされ、守りに入ると調子に乗って前に出てくるので厄介極まりないです。
タイプ2:力の加減をするという感覚が分かっていない
マススパーリングと言っているのに、どの攻撃にも力が入っていて全くマススパーリングではないことをしてくるタイプの人です。
このタイプの人の特徴は以下の通り。
- 真面目だが不器用
- 寡黙で何を考えてるのか読めない
- 自分が危険なことをしている自覚がない
決してワザとやっているワケではありませんし本人としては加減しているつもりのようですが、客観的に見るとどう考えても加減できていないのです。
応用が苦手でジャブやストレートといった単純な攻撃はできますが、コツがいるタイプのテクニック(バックブローなど)は何度教えてもぎこちないままなのもこのタイプの人に多いです。
タイプ3:相手を選んで加減するかしないかを決めている
上記2つのタイプは自分で自分をコントロールできない人ですが、このタイプは自分でコントロールはできているからこそ最も恐ろしく厄介です。
特徴は以下の通り。
- 自分より実力が下の人にはちゃんと手加減ができる
- 格上と認定した人へは容赦なく攻めてくる
- 才能もあり努力もきちんとするので上達のスピードが凄まじく、プロになるパターンが多い
本人としてはしっかり区分けしているので問題ないと考えているのですが、勝手に認定された側からするとなかなか迷惑です(笑)
僕も過去にこのタイプの人に何度か遭遇したことがあるのですが、元々のポテンシャルが高く強いので、ケガをしない(させない)ように気を付けてマススパーリングするのにとても苦労しました。
このタイプは強くなりたいというモチベーションも高くチャレンジ精神が旺盛で、格上の人に何度も挑んでくるため相手側が気を遣うタイプでないと大ケガに繋がる可能性大です。
手加減できない人への対策
それではここから、上記のようなタイプの人がいる時にどうするべきかこちらが取るべき対策をお話します。
その人とマススパーリングするのは避ける
最も確実で安全なのは、マススパーリングを申し込まれても断ることです。
理由は何でもいいので、「もう疲れている」とか「あまり調子が良くない」などでひたすらかわしましょう。
繰り返しているとよほど鈍くない限り、「あの人は自分とやりたくないのかも」と勝手に察してくれるので、向こうから申し込まれなくなります。
まさに『逃げるが勝ち』です。
トレーナーに相談する
ジムにいるトレーナーに「マススパーリングと言ってるのに力を入れて打ってくるので危ない」と相談してみましょう。
トレーナーもマススパーリング中にチェックしていて「あの人はヤバいな…」とは内心思ってはいるものの、あまり強く言えないケースも多いです。
しかし他の会員から実害を被っていると訴えがあれば、ジム側で真剣に対策を検討しないわけにはいかなくなります。
相談するのは勇気がいるかもしれませんが、これ以上無駄な被害に遭う前に自分から行動することも必要です。
絶対にやり返さない
向こうにガチで来られると、こちらも腹が立って強く返したくなることはあるかもしれません。
しかし、これは最も危険なパターンに陥るので絶対にやめましょう。
それをやった場合、向こうはより強く本気でやってくるだけなので最早マススパーリングではなくなります。
僕はそれで鼻の骨を折ったり、足関節を痛めた人を見てきました。
そうしたくなる気持ちは非常に理解できますが、その結果はロクなものではありません。
冷静に落ち着いて、こちらが大人の対応を取るのがベストです。
マウスピースは必ず用意する
マススパーリングは『力を入れない』が前提にあるので、ジム側からマウスピース着用は求められません。
しかし、ガチでくる人がいてやることを避けられないのであれば、迷わずマウスピースを使いましょう。
また初めてマススパーリングをする人や、今までマススパーリングでやり合ったことがない人が相手の場合も要注意です。
万が一相手が手加減できないタイプだった時に、大ケガする可能性があります。
マウスピースをしているから100%安全ではありませんが、手軽にとれる自衛策です。
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まとめ
マススパーリングはちゃんと力を加減してやれれば、安全に楽しく行うことができ充実した練習になります。
ただ、今回挙げたタイプの人はどこのジムにも必ずいるので、もしそんな人を発見した場合はできる限りの対策を全て取ることをおすすめします。
そういうタイプの人のせいで、格闘技が嫌になってジムを辞めるなんて理不尽でしかありません。
プロならまだしも、趣味でやっている場合は無理してやってケガをしたら元も子もないです。
『自分の身は自分で守る』という気持ちを常に持ち続けましょう。
コメント
すごく同意。