格闘技では、しばしば「当て勘」という言葉が出てきます。
具体的には、「あの選手は当て勘が良い」という風に使われることが多いのですが、格闘技に詳しくない人や初心者からすると「そもそも当て勘って何だろう?」と疑問に思っているのではないでしょうか。
そこで今回は、当て勘とは何なのか、何があれば当て勘が良い要因となるのかについてお話します。
『当て勘』とは
まず当て勘が何なのか簡潔に言うと、「的確なタイミングかつ的確な位置で相手に攻撃を当てられる勘」です。
格闘技はお互いが常に動いている中で、いかに顎やテンプルといった急所にピンポイントで攻撃できるかが勝敗を左右しますが、それを実現するには高度なテクニックが必要です。
当て勘が良いというのは、それだけ相手に有効な攻撃を当てられるということなので強みとなります。
当て勘が良い要因
では、当て勘が良い選手は他と比べた時に何が違うのでしょうか。
これには様々な意見がありますが、僕がこれまで見聞きしてきたことをまとめると以下がその要因となります。
- 相手の動きを予測する力が高い
格闘技では相手と常に駆け引きをしています。
パンチを出すフリをしてキックを出す、前に出ると見せかけて下がるなど、フェイントを織り交ぜていかに相手の不意をつけるかが重要なポイントとなります。
当然不意をつかれないように次に相手がどんな動きをしてくるかを予測するわけですが、当て勘の良い選手はこの予測する力が高いことが多いです。
相手の動き方が読めていれば、そこを狙って攻撃を繰り出して的確に当てることができます。
予測は相手の目線や姿勢、手足のちょっとした動きなど様々なところを見て行うため、観察眼もあるということだと思います。
- 的確に当てられるスピードがある
予測する力で相手の動きを読んでも、そこにピンポイントで攻撃を仕掛けるためにはスピードが必要です。
常に動き合っている中で相手がその位置にいてくれるのは一瞬なので、そこを逃したら意味がないからです。
当て勘の良い選手は、攻撃を繰り出すスピードも早くて相手は何をされたかすぐに理解できない場合が多いです。
それは同時に相手の攻撃を避けるスピードも早いということなので、相手はなかなか捉えられません。理想のスタイルの1つです。
- リスクを取れるメンタルの強さがある
相手の動きを予測し早いスピードで攻撃を出しても、相手からカウンター攻撃を喰らう可能性はあります。
予測が外れることはあるでしょうし、相手のスピードがこちらを上回ってくることもあるかもしれないからです。
しかし、当て勘の良い選手はそういったリスクに物怖じしません。
積極的に仕掛けて常に相手を倒すことを考え狙っています。
どんなテクニックを持っていても、このメンタルがなければ実行するのは難しいです。
まとめ
最後にもう1度、当て勘についておさらいです。
・当て勘とは『的確なタイミングかつ的確な位置で相手へ攻撃を当てられる勘』のこと。
・当て勘を構成する要素は、『相手の動きを予測する力』、『的確に当てられるだけのスピード』、『リスクを取れるメンタル』の3つ
これまで経験してきた中で個人的に感じたのは、当て勘については努力ではなく持って生まれた才能の占める割合が多いということです。
予測する力やスピードは練習を重ねることで強化されますが、メンタルはいざ鍛えようとしてもなかなか難しい部分です。
とはいえ努力することが無駄というわけではなく、むしろ後天的に身に付けられるのであればそれに越したことはないので、諦めずに練習を続けましょう。
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