産業カウンセラーの資格に意味を見出せるかは自分次第。資格保持者が実態を解説

産業カウンセラーの資格に意味を見出せるかは自分次第。資格保持者が実態を解説 お金・副業・キャリア
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産業カウンセラーに興味があるけど、資格を取得しても意味ないって評判がある・・・実際のところはどうなんだろう?

この記事をご覧いただいているあなたは、こんな疑問を抱いているのではないでしょうか。

せっかく頑張って取得した資格が、何の意味もないものだったら、とても悲しいですよね。

僕は産業カウンセラー資格を所有している身ですが、結論から言うとこの資格に意味があるか見出せるかは自分次第だと思っています。

「いや、答えになってない!」と思われるのは重々承知なんですが、そうとしか言えないのが実際のところです。

そこでこの記事では、産業カウンセラーの資格に意味を見出せるかが自分次第である理由と、産業カウンセラーの実態について解説していきます。

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産業カウンセラー資格を取得するために必要なこと

産業カウンセラーの資格に意味を見出せるかは自分次第。資格保持者が実態を解説

産業カウンセラーの資格を取得するまでの流れは、以下の通りです。

①産業カウンセラー養成講座(6か月間コースもしくは10か月間コース)を受講・修了する
②産業カウンセラー資格試験(学科・実技)に合格する

これだけではザックリしすぎているので、それぞれ詳しく解説します。

産業カウンセラー養成講座(6か月間コースもしくは10か月間コース)を受講・修了する

産業カウンセラーの資格試験を受けるためには、受験資格を満たしていなければなりません。

その要件は以下の通り。

受験資格
協会が行う産業カウンセリングの学識及び技能を修得するための講座を修了した者
当協会の講座については以下をご参照ください
養成講座(通学&通信)
協会が実施する養成講座(1992年度~2021年度)を修了した場合、その修了年度に関係なく試験の受験が可能です
1)大学院研究科において心理学又は心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学のいずれかの名称を冠する専攻(課程)の修了者であって、A群からG群(注1)までの科目において、1科目を2単位以内として10科目以上、20単位以上を取得していることを要する。ただし、D群からG群の科目による取得単位は6単位以内とする
2)社会人として週3日以上の職業経験を通算3年以上有し、大学院研究科において心理学又は心理学隣接諸科学、人間科学、人間関係学のいずれかの名称を冠する専攻(課程)の修了者であって、第3条第4号に定めるA群からG群(※1)までの科目において、1科目を2単位以内として4科目以上、8単位以上を取得していることを要する。ただし、D群からG群の科目による取得単位は2単位以内とする。本号に記載の職業経験とは、雇用形態を問わずすべての職業経験をいう。
「修士」での受験が可能かどうかについては、受験資格判定により確認してください。
 履修科目についてのご相談や個別科目についてのお問い合わせはご遠慮ください。お問い合わせいただきましてもご対応いたしかねます。
③ 4年制大学学部の卒業者(注2)であって、公認心理師法 別添「公認心理師法第7条第1号及び第2号に規定する公認心理師となるために必要な科目の確認について」の別表「大学における必要な科目」のうち、協会が指定する17科目(注3)について、所定の単位を取得した者。ただし、当該大学が公認心理師コースを開始した年度以降に履修した単位に限る。
引用:一般社団法人日本産業カウンセラー協会 受験資格について (2022年度)(2022年3月29日更新)

ほとんどの人は大学院で心理学を学んだり公認心理士の勉強はしていないと思いますので、①の産業カウンセラー養成講座(6か月間コースもしくは10か月間コース)を受講・修了することが必須となります。

養成講座は対面形式とオンライン形式の2つに別れており、対面形式は各地域で開催されています。

あらかじめスケジュールが決められているので、自分の仕事の都合等にあわせて無理なく受講できるものを選択しましょう。

産業カウンセラー資格試験(学科・実技)に合格する

試験は毎年6月もしくは7月と、1月の2回実施されています。

学科試験と実技試験があって、それぞれ別日に行われます。

学科試験は産業カウンセラー養成講座で習ったことが出題されるのですが、協会で刊行されている問題集を購入して勉強する方が効率が良いです。

実技試験は試験官が見ている前で協会側が用意したクライアント役に対してカウンセリングを実施し、その出来に評価がつけられて合否が決まります。

学科試験と実技試験の両方に合格して、晴れて産業カウンセラーの資格を取得可能となるのです。

産業カウンセラーの資格が意味ないと言われる理由

産業カウンセラーの資格に意味を見出せるかは自分次第。資格保持者が実態を解説
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産業カウンセラーの資格について、「取得しても意味ない」という意見が散見されます。

その主な理由は、以下の3つに集約されることがほとんどです。

①お金がかかる
②取得までに手間と時間がかかる
③就職・転職に役立たない

お金がかかる

産業カウンセラーの資格を取得するまでには、それなりにお金がかかります。

産業カウンセラー養成講座の受講料は、現時点(2023年3月)で297,000円となっています。

また資格試験の受験料として、学科・実技をあわせて31,500円が必要です。

さらに合格して『産業カウンセラー』を呼称して活動する場合は、産業カウンセラー協会へ資格登録する必要があって、これに17,000円かかります。

これらを合計すると345,500円となり、決して安い金額ではありません。

そのため、「これは資格ビジネスだ」と批判する人もいるようです。

取得までに手間と時間がかかる

産業カウンセラーの資格の取得にかかるのはお金だけではりません。

産業カウンセラー養成講座は6ヶ月間もしくは10ヶ月コースのどちらかしかないため、この時点で最低でも6ヶ月の時間が必要です。

資格試験は年2回なので、もし不合格だと次の試験まで6ヶ月間待たなければなりません。

つまり、場合によっては取得までに1年間を要することもザラにあるので、これだけの手間と時間をかける価値があるのかということでしょう。

就職・転職に役立たない

産業カウンセラーの資格は、取得するまでにかかるお金・手間・時間がかかる割には、就職・転職に役立たないと言われています。

例えば『産業カウンセラー 求人』で検索すると、出てくる求人は基本的に非正規雇用が多く、カウンセラー業務とは異なるものが出てきます。

かといって正規雇用でカウンセラー業務の求人になると、今度は実務経験が問われることが多くなります。

そのため、「資格を取得できたからこれを活かして転職するぞ!」と息巻いても、なかなか厳しいと言わざるを得ません。

資格取得の先に即時転職を考えている人には、産業カウンセラーの資格は不向きかもしれません。

産業カウンセラー資格を取得するメリット

産業カウンセラーの資格に意味を見出せるかは自分次第。資格保持者が実態を解説

取得の意味がないと言われる産業カウンセラーの資格ですが、これに対して以下の4点は取得することのメリットと言えます。

①知名度が高い
②就職、転職の際に有利になる
③学んだ知識と経験は対人コミュニケーションに役立つ
④取得のハードルが高くない
⑤成功体験の1つになる

知名度が高い

産業カウンセラーの知名度は、心理系資格の中でもかなり高いです。

心理系資格で代表的なものは臨床心理士ですが、それに並ぶくらいの知名度はあると思います。

事実、求人募集を見ても必須条件として、「臨床心理士もしくは産業カウンセラー等』という風に記載しているものも少なくありません。

そのため、取得すれば信用度のある肩書きが得られますし、思わぬ場面で役に立ってくれる可能性も高いです。

日本では未だに資格などの肩書きは重要視される傾向にあるので、持っておいて損はしないでしょう。

就職、転職の際に有利になる

産業カウンセラーの資格は就職・転職の役に立たないと言われていますが、僕としてはそんなこともないと思っています。

求人を見ても産業カウンセラーの資格を必須としているものはいくつかありますし、持っていないよりは確実に有利になります。

ポイントとなるのは、産業カウンセラーの資格をもとに、どんなアピールができるかでしょう。

何もない完全な未経験として心理系職種に就くのはかなり厳しいので、足掛かりとして有効ではないかと思います。

学んだ知識と経験は対人コミュニケーションに役立つ

産業カウンセラーの資格を取得するにあたって勉強するのは、産業カウンセリングの理論やカウンセリングのRP(ロールプレイ)です。

理論学習は57時間、カウンセリングの練習は104時間にも及ぶので、一定の知識と経験は確実に身に付きます。

これは日常生活はもちろん、ビジネスシーンにおける対人コミュニケーションにも役立つと、実際に取得した身でも感じています。

どれだけデジタルが進化しても、やはり対人関係は切っても切れないもの。

コミュニケーション力の高さは、あらゆる場面で重宝されるのでなるべき鍛えておきたいスキルです。

産業カウンセラーの資格は、これにうってつけと言えるでしょう。

取得のハードルが高くない

産業カウンセラーの資格は、知名度のある心理系資格ですが、取得のためのハードルは決して高くありません。

心理系資格の中で代表的な臨床心理士は、試験を受けるための要件として、以下のことが求められます。

〈主な受験資格〉
●指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を充足している者
●臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者
●諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者
●医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者  など

公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会 受験資格

正直この要件をクリアするには時間がかかりすぎます。

臨床心理士の資格を取得するには、早い段階から取得のために行動していなければ難しいということが分かりますよね。

産業カウンセラーも養成講座の修了にはそれなりの時間がかかりますが、臨床心理士よりも遥かに早いです。

学生はともかく、社会人として仕事をされている方は、産業カウンセラーの資格の方が取得のしやすさは上でしょう。

成功体験の1つになる

産業カウンセラーの資格の取得には、それなりの手間時間お金がかかります。

これを踏まえた上で挑戦し、無事に取得までいくと、立派な成功体験として自信が持てるようになります。

特に社会人として仕事をしつつ、産業カウンセラーの勉強に励んで結果を出せたという点は、「自分もやればできるんだ」と思えます。

大人になってから仕事以外で成功体験を得られる機会は多くないので、貴重な経験ができるという点も見逃せません。

「意味ない」と主張しているのは未経験者

産業カウンセラーの資格に意味を見出せるかは自分次第。資格保持者が実態を解説

産業カウンセラーの資格を取得することに「意味ない」と主張しているのは、資格は持っておらず産業カウンセラーの世界に触れたことのない人達だと感じています。

もちろん直接的に年収アップに繋がるとか、自分の地位が向上するわけではありません。

そうしたステータスなどを求める人にとっては、良い資格とは言えないです。

しかしそれが全てではありませんし、少なくとも僕は産業カウンセラーの資格取得を通して、ここまでに挙げたように良い経験ができたと思っています。

これは実際に経験してみないと、分からないことではないでしょうか。

意味を見出せるかは自分次第。他人の意見に左右されるな

産業カウンセラーの資格に意味を見出せるかは自分次第。資格保持者が実態を解説

繰り返しますが、産業カウンセラーの資格に意味を見出だせるかは、自分次第です。

手間も時間もお金もかかるものなので、慎重になることは大事です。

しかし、他人の意見だけで判断するのは危険ですし、もったいないです。

もし少しでも産業カウンセラーに興味があって、学んでみたいという気持ちがあるならば、やってみることには大きな意味があるでしょう。

未経験のことを始めるのには勇気が必要ですが、だからこそ得られるものはたくさんあります。

周囲の声に惑わされず自分がしたいようにやることが、自分の人生の軸を持つことに繋がります。

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