キックボクシングやムエタイについて少しでも知っていれば、この選手の名前を聞いたことがあると思います。
『ロッタン・ジットムアンノン』
日本では「那須川天心を追い詰めた男」として有名で、その実力は言うまでもなくトップクラスですが、彼について細かく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。
僕は格闘技歴10年以上のキャリアがありますが、いち格闘家の端くれの目線から見ても、ロッタンは凄まじい選手だと思っています。
そこで今回は、ロッタン・ジットムアンノンがどのような選手で、どんな強さを持っているのかをお話します。
ロッタン・ジットムアンノンのプロフィール
生年月日:1997年7月23日
身長:168㎝
体重:61.2㎏
スタイル:オーソドックス
主戦場団体:One Championship(2021年6月時点)
ロッタン選手はムエタイを7歳の頃から始めて、10歳でプロデビューしたという経歴の持ち主です。
ムエタイの4大スタジアムの1つである『オムノーイスタジアム』という場所で王者となっており、日本では上記の通り那須川天心と激戦を繰り広げました。
現在はアジアで有名な格闘技団体『One Championship(ワン・チャンピオンシップ)』でフライ級のムエタイ世界王者として君臨しています。
ロッタンには兄弟が9人おり、実家は貧しく食事を毎日摂るのも大変だったそうです。また、自身にも娘さんが1人いるということで、格闘技で家族を養っています。
そんなロッタンですが、インタビューを観ると本当はとても謙虚で優しい人柄であることが分かります。
ロッタン・ジットムアンノンのファイトスタイル
ロッタンの試合でのファイトスタイルは『超攻撃型』です。
相手をガードごと破壊せんばかりの威力の攻撃を、これでもかと放っていきます。そのため、これまでにロッタンと真正面から打ち合えた選手はほとんどいません。
また、どれだけ攻撃を喰らっても決して怯まず下がらず、相手が下がって攻めてこないと「かかってこい!」と言わんばかりに雄叫びをあげ会場を盛り上げる様は、まるで獣のようです。
しかしその実、とても冷静に相手を観察しており、無理な深追いはせず、バックブローやバックスピンキックなどの不意をつく攻撃も見事にかわしています。
アグレッシブではありますが単なる猪突猛進ではないという、相手からすればとてもやりにくいタイプに違いありません。
ロッタン・ジットムアンノンの強さ
ロッタンは世界的に見ても相当の強さを誇っています。
上述した『One Championship(ワン・チャンピオンシップ)』の試合はKOではなく判定勝利が多いのですが、これは相手がロッタンの攻撃に圧されて下がり続け、防御に回られたのが大きな理由の1つです。
ロッタンの試合を観ると、異常なほどの打たれ強さが強さの根幹だと思いがちです。
それは間違いではありませんが、よく観ていると相手の攻撃をピンポイントで喰らわないように軌道をズラしたり、タイミングを若干外したりする技術もとても高いように感じます。
どれだけ打たれ強くても急所にまともに入れば倒れるものですが、ロッタンはそれを見事に避けています。
驚異の打たれ強さと紙一重で急所を避けるテクニックが、彼の強さの真髄だと思います。
まとめ
今でも世界トップクラスの強さと豊富なキャリアを持つロッタンですが、まだ23歳と若く今後より強くなる可能性は十分あります。
日本では那須川天心との再戦を要望する声も多く、本人もSNSでアピールしていますが、今のところ諸々の関係で難しいのではないかと推測しています。
しかし、世界にはまだまだ猛者がたくさんいて、『One Championship(ワン・チャンピオンシップ)』の現王者であるロッタンを負かそうと新たなる挑戦者も出てくるでしょうし、ロッタンも更なる挑戦をしていくことでしょう。
そんなロッタンから、今後も目が離せません。
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