僕はこれまで格闘技を10年以上やってきて、たくさんのトレーナーや先輩方から様々なテクニックを教わってきました。
恐らく格闘技を始めたばかりの方も、周囲の人達から毎日たくさんのことを教わって成長している最中だと思います。
しかし、その中である時ふと悩むことの1つに「人によって言ってることが違うんだけど、どれが正しいんだ…?」というものがあります。
結論から言えばその答えは『格闘技のテクニックに正解はない』となるのですが、始めたばかりの方からするとこれだけ聞いても、さらに混乱してしまうかもしれません。
そこでこの記事で、なぜ格闘技のテクニックに正解がないのかを詳しく解説します。
色々なことを教わっているけれど、正解が分からなくて何をお手本にすればいいか分からない…!
と困っている方の役に立てれば何よりです。
100人いれば100通りの正解がある
世界には数多くの格闘技のトレーナーがいます。
しかし、例えば100人のトレーナーに「ジャブの正しい打ち方を教えてください」と質問したら、全く同じ教え方をする人はおらず100通りの答えが返ってくると思います。
これは『誰が正解・誰が間違っている』ということではなく『誰もが正解』です。
もっと正確に言うと、『誰もが(その人にとっては)正解』なのです。
当たり前ですが、人にはそれぞれ生まれもっての骨格や体格や性格があって、個性もあります。
すると自分に最も合った(しっくりくる)方法も変わるのは自然なことです。
何より格闘技には数学のように絶対的な数値による答えもないので、正解は元から存在しません。
『正解を探す』のではなく『取り入れる』ことを意識する
とはいえ、正解が存在しないのは決してマイナスなことではありません。
100人いれば100通りの正解があるということは、言い換えれば『100人に教われば100通りのテクニックを使えるようになる』という意味になります。
つまり、それだけ多彩なテクニックがあるということです。
もちろんその中には似通っている部分があったり、正反対の部分もあるでしょう。
しかしそれに対して「どれが正解なんだ?」と疑問を呈するのではなく、「そういう方法もあるんだ」と捉えればいいのです。
仮に100通りの方法を教わったとして、その中から自分に取り入れたら良くなりそうなものをチョイスして使えるようにする。
全てを使おうとするのではなく、使えそうなものは使い他の方法は知識として記憶しておくのが最善ではないかと思います。
テクニックは日々変化し進化している
格闘技も昔と今では常識とされていることが全く異なっています。
例えば練習中は水を飲んではいけない、サウナに入ると骨が弱くなるなど…
何が根拠になっていたのかすら不明な、今では有り得ないことも昔は当然の常識として多くの人が信じ実行していました。
これはテクニック面でも同様だと思っていて、今は良いとされていることも、いつかの未来では良くないと判明しているかもしれません。
それを踏まえた上で、これまでに培った知識と経験が全てと思わず、常に新しいものを学ぶ姿勢を忘れないようにすることが大切です。
先程お話したように、どれも正解であり自分の中に取り入れる価値のあるものだと意識しましょう。
まとめ
本記事の要点をおさらいします。
格闘技に限った話ではありませんが、「自分のやり方こそが正解」という考え方は、自らの成長を止めるだけでなく将来自分に教えを求めてきた人へも良い影響を与えません。
だから僕は教えを請われた時、必ず「これが正解というわけじゃなくて、あくまで1つの方法ってことを覚えておいてね」と言うようにしています。
何度でも言いますが、格闘技に正解はありません。
たとえどれだけベテランになろうとそれを忘れずにいられるのが、どこまでも強くなる人だと思います。
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