正社員の方がメリットは多いって言うけど本当かな・・・?
「働くのであれば正社員」という風潮は、昔から日本社会に蔓延していました。
2008年に起きたリーマンショックの影響による『派遣切り』が社会問題となり、非正規雇用についてのデメリットが大きく取り上げられるようになると、「正社員の安定した仕事に就くべき」という声が大きくなったのです。
しかしこれからの時代では、正社員でいることのメリットが次々と消えてゆくことが予想されます。
事実、その予兆を既にニュースなどから感じ取っている人もいるのではないでしょうか。
この記事では、そんな正社員のこれからと、この先の時代を生きていくために必要なことを解説します。
ボーナスや諸手当の削減・廃止
正社員のメリットとして真っ先に取り上げられるのは、非正規雇用には存在しないボーナスと、住宅手当や扶養手当をはじめとする各種手当による給料の上乗せでした。
しかし、終わりの見えない不景気の中で、ボーナスの削減や手当の廃止を実施・検討する企業が出てきています。
さらに『同一労働同一賃金法』が施行されたことで、これに拍車が掛かっています。
「正社員の特権がどんどん消えていく」扶養手当、住宅手当…諸手当が”全廃止”される日
企業としても、かつてのように利益を出すことが難しくなり、人件費には頭をなやませているところ。
隙あらば削減したい背景があるため、いつどさくさに紛れて実行するか分かりません。
このままいけば、ボーナスや諸手当が完全に廃止され、正社員の金銭面のメリットが消え去る日は遠くないでしょう。
責任ばかり増えている
派遣社員やアルバイトなどの非正規雇用は、ミスなど不測の事態が発生しても、基本的に責任が問われることはありません。
近年は人件費の問題で、企業の非正規雇用の獲得割合も増えており、昔より行える業務の範囲が広がっています。
それに比べて、正社員はミスがあればその責任は全て自分に降りかかります。
自分だけのミスならまだしも、非正規雇用の人達のミスでさえ巻き取って対処しなければならないことも。
つまり、行う業務範囲の差は非正規雇用と大差なくなってきているのに、責任ばかりが増えている状態なのです。
事実、僕が以前勤めていた会社でもこの現象が起きていて、現場の管理業務をやっているのに派遣社員のままの先輩に理由を尋ねたところ、「やることは変わらないのに責任が増えるだけなのは嫌だから。」という答えが返ってきました。
正社員になったばっかりに責任という負担だけ大きくなるのは、確かに受け入れられませんよね。
非正規でもスキルアップが可能になりつつある
前項でも触れましたが、近年正社員と非正規雇用で行う業務の範囲は、徐々に大差なくなってきています。
昔は「非正規雇用だとスキルアップできず、転職などで不利になる」などと言われていましたが、それが覆りつつあるのです。
これの意味するところは、非正規雇用のデメリットの1つが消えると同時に、正社員のメリットの1つが消えるということ。
キャリアアップしたい人は、無理に正社員で働くより、非正規雇用で働いた方が良いという場合も。
『正社員でないとスキルアップできない』という縛りが無くなるのは、大きな変化と言えるでしょう。
もし自分のスキルアップやキャリアアップについて悩むのであれば、キャリア支援サービスを利用して、どうするのが自分にとってベストか分析するのも効果的。
『キャリフリ』では個々の受講生に合わせたオーダーメイドのキャリア構築を可能としています。現在は無料カウンセリングも行っているので、気軽に相談してみてください。
いつまで勤め続けるのか分からない時代
「正社員は雇用が安定している」というメリットは、昔から耳にタコができるくらい聞いてきた売り文句。
確かに非正規雇用のように契約終了の日付が定められているわけではないので、正社員になると安心する人は多くいます。
しかし、今や景気も企業の経営も下火で、全体が不透明かつ不安定な情勢です。
コロナ禍で誰もが知る大企業のいくつかが、正社員であろうと関係なく、希望退職者を募集したのは記憶に新しいところ。
さらに、『希望退職』と銘打っているものの、その実態は企業がお荷物と感じる正社員に退職を迫るというケースもあったようです。
「会社は私たちに辞めてほしいのだな……」希望退職迫るリストラマニュアルの中身
これらのことから分かるのは、今の時代は「正社員は安定」ではないということ。
もはや大丈夫な雇用形態は存在しません。
これからの時代を生き抜くために必要なこと
正社員でさえ明日をも知れぬこれからの時代。僕達に求められることは何なのか。
少なくとも以下の3点は、今後生きていくために欠かせないものです。
ポータブルスキルを身につける
『ポータブルスキル』とは、移動可能なスキルを指します。
プレゼンテーションスキルやマーケティングスキルなど、どの会社に行ってどんな環境で働いても通用するスキルです。
会社員のスキルには『そこでしか通用しない』というものも多くありますが、そうなると転職などで環境が変わった場合、何もできなくなってしまいます。
しかし何もかもが不安定なこれからの時代では、仮に今日会社をクビになっても、明日から別の会社もしくはフリーランスとして活躍できる柔軟性が必要。
それを実現可能にするのがポータブルスキルです。
今のうちに資格や技能を、可能な限り身に付けておくことをおすすめします。
収入源を複数作っておく
あらゆる仕事が明日も続くか分からない中で、収入源をいくつか持っておくことは非常に重要です。
もし1つが突然ダメになってしまっても、他で賄える状態であれば心理的な安心感が保てます。
それを背景に、転職・起業・独立など、臆せず挑戦できることも多くあるでしょう。
昔から世間では『安定』が求められてきましたが、これから必要となるのは安全な収入源です。
これに最もおすすめなのは、副業による収入源の構築。
中でもアフィリエイトなどのストック型の副業は、ある程度まで構築すれば自動で利益を出してくれるものになります。
いわゆる『不労所得』の仕組みを手元に置いておきましょう。
メディアの情報を鵜呑みにしない
テレビ・ラジオ・新聞・週刊誌・インターネットと、今や情報収集の手段は数えきれません。
あらゆる情報がスマホ1つで容易に確認できる時代です。
しかしそれだけ数があれば、低俗・デタラメ・偏見といった、信用ならない情報も相応に存在します。
そんな時代を生きていくためには、情報を鵜呑みにせず自分で体験したり、多角的な視点で情報を見てみることが必要です。
令和となった現在でも、メディアの情報に踊らされる人は少なくありません。
そんな人が騙されて搾取される姿を、誰もが1度は目にしたことがあるはず。
その1人になりたくなければ、鵜呑みにせず疑問を持つ姿勢を忘れてはいけません。
大切なのは身分やステータスではない
正社員という立場にプライドを持つ人が、未だに数多く存在します。
そのこと自体は否定するものでも、バカにするものでもありません。
ただ、そこに固執するあまり自分で自分を追い込んだり苦しめるのは、絶対に間違っています。
大切なのは正社員であることではなく、自分が良いと思える生活を送れているかどうか。
仕事なんて、人間の人生の一部でしかないのに、これが原因で不幸になるのはおかしいこと。
もし身分やステータスにばかり目がいっているのであれば、今一度その思考に疑問を持ってみてはいかがでしょうか。
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