格闘技経験者が護身術を習って分かった効果と感想

格闘技のこと
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突然ですが『護身術』と聞いて、皆さんが思い浮かべることは何でしょうか。

以前の僕が想像していた護身術は、以下のような感じです。

・暴漢をカッコよく制圧する
・絡んできたヤンキーを鮮やかに返り討ちにする
・大柄な男性を小柄な女性が力を使わず投げ飛ばす

しかし実際にある護身術を3年ほど習ってみて、それは完全に誤った認識だったことに気が付きました。

護身術はそんな風にカッコよく鮮やかではなく、また簡単に身に付けて使えるものではないのです。

僕は格闘技を10年以上経験しており、アマチュアながら選手としてキックボクシングなどの試合にも出場した経験があります。

そんな人間が護身術を習ってみて分かった効果と感想を、この記事で可能な限りお話します。

護身術って興味あるけど、実際のところ役に立つのかな?

こんな疑問を持つ方には参考になると思いますので、良ければ最後まで読んでみてくださいね。

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『実戦的』の意味を痛感する

格闘技をやっていてもよく聞く言葉の1つに、「実戦的」というものがあります。

基本的には『ストリートファイト(ルール無しの路上の喧嘩)で使えるかどうか』という意味合いで使われる言葉です。

当然ながら護身術にはルールなんて存在しません。あらゆるシチュエーションから身を護ることを想定する必要があります。

ナイフや鉄パイプなどの凶器の使用、多人数に囲まれた状態、背後からの不意打ち…

そこに『卑怯』や『反則』なんて概念はありません。ルールの無い実戦とはそういうものです。

護身術を習ってみて、「格闘技は実戦で使えるか」なんて議論がいかに無意味なものかがよく分かりました。

格闘技にルールがある時点で、実戦的ではないのですから。

生兵法は大怪我のもと

護身術を習い始めたばかりの頃、指導者から『生兵法は大怪我のもと』ということわざを教わりました。

意味は以下の通りです。

少しばかりの知識や技術は、それに頼ったり自負したりして、かえって大失敗をすることのたとえ。生兵法は大疵 (おおきず) のもと。

goo辞書

護身術もこれに漏れず、何度か練習したからといって自分が強くなった気になるのは大きな勘違いだと指導者は語っていました。

よく習ったばかりの人はこれに自信をつけて、不遜な振るまいをしたり強気な態度を取りがちなようです。

しかし、護身術はそんな万能ではないし、簡単に自由自在に使える技術ではありません。

何度も何度も繰り返し練習することで、いざという時に役に立つかもしれないものです。

「決して試してみたいなどという気持ちで使えるものではないことを忘れるな」と言われたことを今も覚えています。

助かる確率を上げる

僕が思うに、護身術は『自分が助かる確率を少しでも上げる』ためのものです。

練習をすればするほど、これをいざ実戦で使うのがどれだけ大変なことかがよく分かります。

何せ実際に向かってくる相手は、こちらに危害を加える気満々でやってくるわけですから、それに対処するのは並大抵のことではありません。

突如目の前に現れた脅威に対して、冷静かつ的確に対処する。

口で言うのは簡単ですが、それを実践するには確かな技術と確固としたメンタルが必要です。

護身術はそうしたスキルを可能な限り伸ばして、自分がケガをせず無事にその局面を切り抜けられるようにするためのものです。

習ったからといって確実に上手くいくわけではないけれど、習っておくことで何とかなるかもしれない-

それが護身術だと思います。

男性が習う意義と効果

いかんせん男性は、強さに憧れがちでプライドが高い一面があります。

街中で起こる些細ないさかいや喧嘩の原因は、大概はつまらない意地の張り合いだったり、自分の強さを誇示したいがための下らない自尊心です。

自分の関係のないところでやりあう分には全く構いませんが、問題はそれに意図せず巻き込まれた場合。

仮にその時誰かと一緒にいたら、自分だけでなくその人にも危険が及ぶかもしれません。

護身術によって、そんな危機から脱することができる可能性が高まります。

また、強さを身に付けることで心に余裕ができ、意地やプライドを張らず穏やかに接するようにすることで巻き込まれるのを回避できることだってあるかもしれません。

男性にとって護身術は、そうした技術と心の余裕を醸成するためのものだと思います。

女性が護身術を習う意義と効果

女性にとって護身術は、男性以上に必要なものではないかと思います。

男性と比較すればどうしても力や体格は劣りがちで、身に降りかかる危険は男性より圧倒的に多いのが現実ではないでしょうか。

そんな時は誰かに助けを求めるのが最善策ではありますが、今の世の中自分の身は自分で護るしかない場面も多々あるでしょう。

護身術を習うことで、相手を制するとまではいかずとも、逃げたり回避したりできる可能性は高まります。

また、危機意識と警戒心を持つようになって狙われにくくなったり、萎縮せず咄嗟に動ける力が身に付けられます。

こうした点からも、護身術を習う意義や効果は十分にあると思います。

まとめ

本記事の要点をまとめます。

・護身術はカッコよく鮮やかなものではない
・『実戦的』とは甘いものではない
・『生兵法は大怪我のもと』であることを忘れない
・繰り返し練習し、助かる確率を少しでも上げるのが護身術
・男女問わず習う意義と効果がある

皆さんが想像するような華麗なものとは異なっているかもしれませんが、護身術は身に付けておいて決して無駄なものではありません。

あの時に習った技術はもちろん、『自分の身を護るために必要な思考』は未だに覚えていて、ふとした場面で役立つこともあります。

護身術は使わないのが一番ではありますが、いざという時に使える状態にしておくことはとても意味のあることです。

護身術を習って、自分も自分の大切な人も護れるようになりましょう。

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